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第98回日本泌尿器科学会会長に就任して
第98回日本泌尿器科学会総会会長
藤岡 知昭(岩手医科大学医学部泌尿器科学講座 教授) |
第98回日本泌尿器科学会総会を岩手県盛岡市で開催させていただくことになり、会員の皆様にご挨拶を申し上げます。まず、このような大任を与えていただきました皆様のご厚情ならびにご支援に対しまして、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
昨今の情報化と国際化による社会全体のグローバル化の波とともに医療全体を取り巻く環境は厳しい状態にあります。特に「医療に関する患者さんの希望・期待・願望と医療提供側の認識・判断の間には大きな段差・食い違い」が存在し、さらには「医療難民」の出現という社会問題・住民の不満に直面しています。今回のテーマを「イーハトーブ・理想の医療を求めて Ihatov-Revolution toward the ideal medical treatment」としました。多くの会員の皆様には、「イーハトーブ」は馴染みの薄い言葉とおもいます。小生の敬愛する郷土の詩人、宮沢賢治が童話集『注文の多い料理店』の広告文の中で初めて用いたもので、日本国岩手県にあるドリームランド(理想郷)が「イーハトーブ」です。4年前の第70回日本泌尿器科学会東部総会の際にも同じモチーフを用いまして「イーハトーブ・オーダーメイド医療の実現」をテーマとしました。患者さん一人一人の遺伝子情報に基づく個別化医療の実現が患者さんの最適な医療・理想の医療と考えていましたので、その理想に向かってどのように現状を把握し、どのような改善をすべきか討論していただきました。今回は、さらに一歩進んで『患者さんが望む医療』『患者さんに優しい医療』さらに『日本から世界に発信できる医療』について全国の会員の皆様とともに考え、さらには近未来の泌尿器科にとっての理想の医療とは何かを追求してみたいと存じます。
総会会期は、平成22年4月27日(火)〜30日(金)の29日祭日を挟む4日間で、会場は盛岡市民文化ホール「マリオス」、いわて県民情報交流センター「アイーナ」ならびにホテルメトロポリタン盛岡本館・ニューウィングです。基調講演として長年の共同研究者である東京大学医科学研究所長・中村祐輔教授に「理想の医療を求めて」をお願いしております。今後の医療、創薬の方向性としてのゲノムや薬理学について講演していただきます。また、招請講演として米国UCLA泌尿器科のJean B.deKernion教授に「癌ワクチン療法の歴史と展望」についてお願いしました。皆様ご承知のごとくdeKernion教授は泌尿器腫瘍学の発展に最も貢献されたパイオニアの一人であり、腫瘍免疫学の権威者であります。他に招聘・特別・教育講演、総会特別企画を予定しています。その他、「シンポジウム」、「パネルディスカッション」等に関しては、各専門部会のご意見をいただき、東北地方会教授の皆様により構成されるプログラム委員会で整理・調整するつもりです。
4月下旬の盛岡は、気候的にやや遅い春の到来を感じる最も清々しい時期です。また、市内の桜は開花のピークは過ぎているとは思われますが、小岩井牧場の一本桜は満開、まさに見頃と思います。会場のほとんどはJR盛岡駅周辺に集中しております。会員懇親会を行う予定の盛岡市アイスアリーナは徒歩15分と少し離れておりますが、送迎バスを運行させます。盛岡市内には、ホテルが急増し、約4,500名の宿泊数が確保されますし、さらに会場から車で30分程度の繋、鶯宿の両温泉地には約3,000名の投宿が可能です。第70回東部総会(花巻温泉)でもご経験いただいたように、昼の激論の疲れを湯で流して英気を養っていただくのも当地ならではのお勧めの学会風情かと存じます。
宮沢賢治や石川啄木の愛した岩手山が皆様を暖かく歓迎します。懇親会では、第76回総会の大堀勉(現岩手医科大学理事長)の〔会員の皆様に喜んでもらう様に〕と言う至上命令を継承し、岩手牛のバーベキュー、三陸産海の幸、わんこそば大会などを企画し、心身ともに楽しんでいただきたいと存じます。とは言え、今総会は何分にも「道の奥」での開催であり、都会的な洗練された歓迎はできませんが、私ども教室員、同門会一同、誠心誠意お世話させていただきます。
患者さんのための、そして会員の皆様の診療・研究の現場において、「イーハトーブ」が創り上げられ、理想の医療を追求する変革の機会となる総会を目指しております。多くの会員の皆様の参加をお待ちしております。 |
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